2018年9月15日(土)~17日(月) 夏山合宿 ジャンダルム(西穂から奥穂へ)  

夏山合宿(ジャンダルム)に参加してきました。
いつかは行ってみたい西穂から奥穂への縦走路。そしてジャンダルム。
憧れの縦走路でしたが、今の自分にはまだまだかなぁ、来年あたりチャンスがあれば行ってみたい・・・
と思っていたところ、会の9月の予定で、夏山合宿ジャンダルムがあることを知りました。
CLのHさんとはまだお会いしたこともなく、今の自分の技量と度胸でジャンダルムへ行くことができるのか、早速メールでTさんに相談しました。
答えは「問題ないですよ」と(笑)
ホントかなぁと思いつつ、参加することとなりました。
Hさんとお会いし、当日のスケジュールや行動食、天候等について打ち合わせをしました。
各々準備をして、15日朝5時に事務所に集合。
車2台で上高地に向かいました。(私は下山後別行動のため2台となりました。)
沢渡バスターミナルに9時過ぎに到着。あいにくの雨です。
天気予報は、15日 雨、16日 曇り、17日 雨?
とりあえず、西穂山荘まで行って、天気予報次第で次の行動を考えることとなりました。
沢渡を9時40分発の上高地行のバスに乗り、帝国ホテル前で下車、田代橋の登山口へ向かいます。
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10時20分、雨の中登山口から西穂山荘へ向けて、いよいよ夏山合宿の始まりです。
ぬかるんだ登山道を黙々と歩いて行きますが、先日の台風で倒木が多く見られます。
さらに雨で滑りやすくなっていました。
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途中、小休止をはさみ12時40分、まずは西穂山荘に到着です。
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コースタイムは3時間50分でしたが、僅か2時間20分ほどで到着しました。
この人たちの体力、凄いなぁ・・・明日から着いて行けるのか大丈夫なのか・・少し不安な私です。
小屋では、雨具などを乾燥室で乾かして、早速ビールで乾杯。
この日は3連休初日ということもあり、小屋は大混雑との事です。
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案内された部屋を見ると、8畳に15人!!!
布団2枚に3人となっていました。
営業小屋に泊まったことがあまり無く、これはある意味貴重な経験かも、と言い聞かせます。
小屋の食事は美味しくて、ご飯や汁物はお代わり自由でした。
部屋では同室の方々と談笑してましたが、私は緊張のあまり無口のまま・・・。
そうそうと寝ることにしました。
運よく、キャンセルが出たようで、5人で寝るところ、私たち3人でゆっくり寝ることが出来ました。

16日、朝3時30に起床。自炊室で朝食をとります。
予定では4時出発でしたが、天候が不安定なのとまだ薄暗いので5時発に変更です。
丸山手前で明るくなり、独標も難なく通過します。
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7時、チャンピョンピークを通過。
周りはガスガスで眺望は無く岩も濡れていますが、問題なく歩いて行きます。
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7時10分、西穂高岳山頂に到着しました。
ここまでは一般道、私も8月に来たばかりです。
3人ともまだまだ余裕です。CLのHさんは山頂でポケモンに興じており、私を誘ってきます(笑)
少し休憩の後、いよいよ未知の世界へ突入します。
あ、やっぱり行くんだ・・・と密かに思っていました。
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7時30分、P1とペイントがある地点を通過。
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この先でまさかの渋滞がありました。
ガイド登山のパーティーが、ロープを出して一人ひとり岩を降下しています。
人が大勢いるとちょっと安心です。休憩を兼ねて動向を見守っていると、岩を落としたのか落石が発生しました。
乾いたパリーンという音とともに、ラーーックという叫び声、いつまでも落ちていく岩の音。
思わず、怖エーー!と声が出てしまいました。
そんな中ガイドさんに先にどうぞと言われ、追い越しをさせていただきました。
自分も岩を落とさないよう、慎重に進みます。が少しだけ落としてしまい、反省反省。
大きな事故ではなく、無事通過できました。
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8時30分、何気なく立ち止まったところで、ここが間ノ岳であることに気が付きました。
岩にうっすらとペイントされていますが、たまたま気が付きました。
この先、間天のコル、逆層スラブが待ち受けています。
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逆層スラブ前、まだまだ余裕の表情でした・・・。
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9時10分、これが逆層スラブ・・・・。
なるほど、岩の層が逆になっているので足を置く場所が無い!
滑ったら下まで落ちてきてしまうよなぁ・・・・どうぢゃって行くのかなぁ?と考えていると、CLのHさん、どんどん登って行ってしまいます。続いて、SLのTさん、さすがクライマー、鎖もほとんど使わず登って行ってしまいました。
さて私ですが、あらゆるものを駆使して登ります。もちろん鎖だろうが岩だろうが、なんでも使います。
最後は気合いで体を持ち上げて、なんとか仲間に追いつけました。
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9時50分、天狗のコルに到着しました。
ガスガスの天候ですが、雨もそれほど降らず何とかもっています。
最悪の場合、ここから岳沢へ下りることも考えていましたが、この状況ならジャンダルムを目指します。
正直、あぁ、やっぱり行くのね・・・行っちゃうのね・・・と思ってました(笑)
だいぶ進んできたような気がしますが、まだ行程の半分弱。タメ息しか出ません。
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切れ落ちているところを巻いたり。
途中、マーキングが分からず少しウロウロしたり。
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行動食を食べたり、緊張したり。
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11時20分、ガスの切れ間からとうとうジャンダルムが姿を現しました!
キターー!とうとう来てしまったジャンダルム。
さてさて、どう攻略するのか、まだ怖い場所ばかりなのか、とっても緊張しています。
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西穂からくると、左側(飛騨側)を回り込みます。
岩にペイントされている「ジャン」に心が躍りますが、慎重に進みます。
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そしてとうとう、岩に取り掛かります。
岩に打ち込まれているボルトなどを駆使して、這い上がっていきます。
すると前方のCLのHさんの雄叫びが聞こえました。
「ウォーーー!!!!!」あ、ジャンダルムに登頂したんだ!!
SLのTさん、そして自分も続いて登頂しました!
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11時30分、登頂です。ネットで見たことのある天使がいました。
やった!、とうとう来たんだ・・・・と胸が熱くなりました。
あいにくガスガスで何も見えませんが・・・・心の目で景色を見渡します。
とにかく、嬉しい!!!の一言です。
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会旗を広げて記念撮影。
天気が悪いせいか、ほかに人がいません。
3人で大撮影大会となりました。
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3人とも初のジャンダルム、みんなドヤ顔です(笑)
ジャンダルムを堪能していると、ガスの合間から登山者が登ってきました。
20分ほど過ごし、奥穂へ向けて出発です。
一旦分岐まで戻り、オクホのペイント方向へ進みますが・・・・ここがまた難儀な岩場でした。
ジャンダルムから奥穂への途中には、ロバの耳、馬ノ背というナイフリッジがあります。
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相変わらず、こんな切れ落ちている難所を通過していきますが、SLのTさんはとっても楽しいらしく、ニコニコしていました。自分は顔が引きつっていたと思います。
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12時35分、とうとう馬ノ背にやってきました。
あれ??ロバの耳ってなんだったんだ?!? という事になりましたが・・・。
さて、馬ノ背はとってもナイフリッジですれ違いもできないほど。
幸いガスの中で、下が良く見えないため恐怖心が和らぐかなぁと思ってました。
CLのHさんが取りかかります。
途中まで順調でしたが・・・「こえーー!無理、だれか代わって!!」
マジか、Hさんでも怖いところ行けるのか!?
(Hさん「情けない、ここで泣きが入った」とコメントしてました。)
するとSLのTさんが「行きます!」と言い、トップを代わりました。
Tさん、さすがクライマーです。どんどん進みます。
自分も必死について行きますが・・・・・怖い怖い。
そんな気持ちを振り払うため、「怖くない!怖くない!ここは香貫山!香貫山!」と叫んでました(笑)
もう、ロバでも馬でも何でもいいから・・・早く終わってくれーー!!って感じです。
あまりにも危険地帯なので写真がありません。
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10分ほどで、馬ノ背を通過したようです。
もっと長かった気がしますが・・・。
馬ノ背を通過して最後の急登をよじ登ると・・・奥穂高岳山頂に登頂しました!
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13時、山頂で記念写真。
もう、達成感で感無量です。
緊張が解けて、嬉しくて嬉しくて仕方ありません。
しかし、風雨が強くなってきたので山荘へ向けて出発です。
13時30分、無事穂高岳山荘に到着しました。
宿泊の受付を済ませ、HさんとTさん早速ビールで・・・となりましたが、自分はハイになっていたようで、ちょっと涸沢岳に行ってきます!と言い残し出かけて行きました。
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14時5分、涸沢岳に登頂。
なーーんにも見えないため、すぐに山荘に戻ります。
山荘では二人とも1本目のビールが終わったところで、早速自分も入り乾杯!
いやはや、何よりも無事で良かった・・・そしてジャンダルム、良かったぁ~。
あそこはどうだった、こうだった、と話が止まりません。
西穂山荘から来た他の登山者とも話が弾みます。
コースタイム10時間でしたが、約8時間で着きました。
天気が悪いせいか、登山者が少なくスライドした人も1名だけ。
途中、ガイド登山のパーティーで少し渋滞しましたが、その他は順調に来ることが出来ました。
また、今回は3名という少人数だったので、時間よりも早く到着できたようです。
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山荘で仲間と至福の時。みんなドヤ顔です。

17日、いよいよ最終日。今日は上高地に下山します。
が、もう最終日なんて寂しすぎる・・・・。
朝、3時30分に起床してご飯を食べていると、叩き付けるような激しい雨と風です。
予定では4時出発でしたが、5時に変更、さらに天気が悪いため5時30分に変更しました。
山荘のロビーでは、岐阜県警の山岳救助隊員が、出発する登山者に注意を促していました。
待っていても天気が回復しないため、5時30分に山荘を出ます。
奥穂へ登り返し、吊尾根から紀美子平、前穂をピストン、重太郎新道で岳沢へ下りて行きます。
まず、山荘をでてすぐの奥穂への急な梯子を登っていきます。
30分で奥穂山頂へ到着、休憩することもなく吊尾根へと進みます。
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山頂から少しの場所に、長い鎖場がありました。
以前、吊尾根は通ったことがのあるのですが、こんなに長い鎖だったっけ?と覚えていません。
さらに先に進むと、吊尾根の登山道でテントを張り、ビバーグしていた親子がいました。
岳沢から登ってきて、力尽きたか時間切れでやむなくテントを張ったのでしょうが・・・勇気ある決断だったと思われます。
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吊尾根もなかなかの縦走路ですが、昨日のルートに比べるといたって普通の縦走路です。
会話も弾み、「最低のコル」ってどこかなぁ、なんて話をしましたが、いつの間にか通過していたようです。
7時25分、紀美子平に到着。ここで荷物をデポして前穂高岳をピストンします。
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なかなか急な岩場を登っていきますが、昨日に比べれば・・・・全然怖くないです。
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8時、前穂高岳山頂に登頂しました。
自分は2回目ですが、今回もガスで何も見えません。
HさんとTさんは、積雪期に登ってくることを話してます。凄いなぁ~。
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紀美子平に戻り、重太郎新道を下山していきます。
雷鳥広場あたりから、登ってくる方々とスライドし始めました。
雨はすっかり上がり、時折晴れ間も見えてきました。
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雲の切れ間から、上高地や岳沢が見えました。
しかし、上の方は雲が厚く、昨日歩いた山々や稜線が見えません。残念!
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10時50分、岳沢小屋に到着しました。
ここでは、ご飯を食べ、コーラを飲み、のんびり休憩しました。
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12時45分、上高地に下山です。
天気が良ければ、西穂高岳から奥穂、前穂までぐるーーっと見えるのですが・・・残念ながら雲の中。
心の目で景色を眺め、自分の歩いてきた稜線を堪能しています。
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晴れていればこんな感じでしょうか。絶景です。
上高地からもジャンダルムが見えるようです。
バスターミナルで軽く食事をし、バスで沢渡に戻りました。
3日間、あいにくの天候でしたが、何よりも無事ジャンダルムという目標を達成できて本当に嬉しいです。
これも仲間がいたおかげ。
初日の夜は、緊張のせいか口数も少なかったのですが、こなしてしまえば、天気の良い日にもう一度行ってみたい!という気持ちになりました。
立ち寄り湯に寄って汗を流し、HさんとTさんは三島に向かってお帰りになりました。
私は、翌日の山行に備え、白馬に向かって車を走らせました。
Hさん、Tさん、本当にお世話になりました。そして有難うございました。

★山行形態★  会山行(夏山合宿)
★山域★  北アルプス ジャンダルム
★山行日★  2018年9月15日(土)~17日(月)
★天気★  15日 雨 、 16日 曇り 雨 、 17日 雨のち曇り 
★メンバー★  376(CL) 337(SL) 343(記)
★コースタイム★ 
9/15 田代橋登山口10:20→西穂山荘12:40(泊)
9/16 西穂山荘5:00→西穂高岳7:10→間ノ岳8:30→天狗のコル9:50→ジャンダルム11:30→奥穂高岳13:00→奥穂高岳山荘13:30(泊) おまけで涸沢岳
9/17 奥穂高岳山荘5:30→奥穂高岳6:00→紀美子平7:25→前穂高岳8:00→紀美子平→岳沢小屋10:50→上高地12:45