お盆にDガリー奥壁の計画があったが、雨で敗退になってしまったので再度挑戦してきた。
今度は「つるべ」で行けるように気合が入っていた。

お彼岸がもうすぐ来るのに広河原は真夏のような日差しが照りつけていた。荷物を軽量化したのにザックはずっしりと重い。クライミング用品が入っているからだ。この重さでDガリー奥壁まで行けるだろうか。岩壁でのビバークは始めての体験で無事に寝られるのだろうか。不安はあったがとりあえず歩き出した。
二俣にはたくさんの登山者が休憩していた。今日の小屋は込むんだろうな!私達には関係ないけど。
バットレス沢、C沢、D沢はすぐ近くにくっついていた。C沢で水を2,5ℓ補給したらググッとザックが肩に食い込んできた。「だめだこりゃ、重くて登れないよ」計画は変更になり、前回下見したビバーク地点で今日は終了。
空身で五尾根支稜の取り付きを下見に行ってきた。

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朝3時に起床。夜明けとともに登りだす。五尾根支稜の1P目は傾斜がゆるいのでロープ無しで登る。2P目、3P目はロープを出したがそれほど難しくない。大滝上の左側凹みのDガリーに入る。私はピンを見落とさないように注意して登る。ノドのように細いところを過ぎると視野が広がりピラミッドフェイスや下部フランケが真近に見えてきた。すばらしい眺め!

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Dガリー奥壁の1P目の3段ハングは最初の核心。迷わずにヌンチャクやシュリンゲをつかんでA0で登る。ここで後続のパーティーが3段目の出口にジャミングを決めフリーで登って抜かして行った。1P目終了点から上を見ると威圧感を持った城塞が見える。あの城塞のクラックをめがけて登って行くのだ。
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狭いクラック。ここが一番心配していた所だった。ザックを下ろして空身で恐る恐る登る。登り始めると細かいホールドがあって簡単に登れるではないか右手のカチも分かりクラックの上にすぐに出れた。ザックを背負っていないと楽だった。後からザックを引き上げるのは重たくてロープは岩に擦れて傷つくし大変だった。最後の広いチムニーも両方の壁を使い後半は右の壁を登って上に出る。Dガリー奥壁の終了点と四尾根の終了点は同じところなので急に込みだす。今日の四尾根は大渋滞のようだった。
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北岳山頂まで登り、帰りは八本歯を下りバットレスを眺めた。よく登ったな。無事に帰ってこられたのはなによりだ!荷物を回収して広河原に戻ってきた。
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☆ 山行形態 ☆個人アルパイン
☆ 山域  ☆山梨県
☆ 山行日 ☆2010年9月18日~19日
☆ 天候  ☆晴れ
☆ メンバー ☆2人(278)
☆ コースタイム
18日:芦安7:00-広河原7:50-二俣10:00-D沢入口11:05
19日:ビバーク地点4:05-五尾根支稜取り付き5:20発-大滝上5:45-
   Dガリー奥壁取り付き7:45-終了点10:50-北岳山頂11:25-
   八本歯のコル12:05-広河原15:00